糸作り
伊那紬のやわらかい肌ざわりと
ふわりとした風合いは
糸作りから生まれます。
ソーキング
脱水
乾燥
糸繰り
合糸
撚糸
蒸し
揚返し
精錬
水洗い
脱水
糸叩き
糸繰り
製糸工場から納められるかせの状態の糸をボビンに巻きます。
合糸
目的の太さにするために2本の糸を一緒に巻き取る作業を数回行います。生糸や玉糸、真綿の手紡ぎ糸など、何を合わせるか、どんな撚りをかけるかで光沢や地風が違ってきます。
揚返し
糸をかせの状態に戻します。
精錬から糸叩きまで
石けんと熱で不要な物質を落とし、水で洗い流します。糸につやが出て空気が入りしなやかに仕上がります。
草木染め
樹皮などから染液を煎じ出し
昔ながらの手染めの方法で染めていきます。
滋味溢れる色合いが魅力です。
原木伐採
山出し運搬
樹皮採取
染材煮出し
媒染
染材
ふたつのアルプスを望む自然豊かな駒ヶ根市で育った、草木が原料。
現在は化学染料も併用しながら、目的に応じて多様な色彩を作り上げています。
種類
やまざくら、りんご、カラマツ、槐(えんじゅ)、どんぐり、一位(いちい)、ロッグウッド、矢車玉、しらかばなど。各種染材は工場で乾燥させ保管しています。
色柄の設計
草木染めは同じ条件でも
微妙に色や輝きが変わります。
草木で染めた糸は
どの色にもなじむのが特徴です。
糸量配分
染色
水洗い
糊付け
乾燥
糸繰り
糸分け
染色
完成した糸を染料で染め上げます。
設計
色帳や柄帳を基本に、伊那紬独自の色柄を設計するのは伝統工芸士の3代目と若き4代目。古典はもちろん、メディアに起用されるデザインを提案しています。
整経
糸分けされた糸は経糸(たていと)と
緯糸(よこいと)に分かれます。
ここでは、機織りで織るために
経糸の準備をします。
整経
綜絖通し
筬通し
機掛け
整経
反物の柄になるように経糸を並べます。経糸の本数や長さ、テンションをそろえ、様々な色糸をドラムに巻き取ります。熟練の技と根気が必要な作業です。
設計
色帳や柄帳を基本に、伊那紬独自の色柄を設計するのは伝統工芸士の3代目と若き4代目。古典はもちろん、メディアに起用されるデザインを提案しています。
手織り
昔ながらの伝統を守り
足踏み式の高機(たかばた)で
すべて手織りしています。
製織
仕上げ
検品
湯伸し
製品出荷
製織
職人たちが、目標とする地風を表現するために、きめ細やかな技と丹念な心で丁寧に仕上げていきます。図面をもとに、1本1本緻密な計算で織りあげます。
仕上げから出荷まで
その後検品や仕上げを施し、ようやく伊那紬が完成します。素朴で温もりのある風合いと、着心地の良さを実感していただけると思います。